1便の安全運航を
確実に支える。

高校生活最後の修学旅行。機内から外に目をやると、航空機の近くで働いているグランドハンドラーが見えました。その姿がとても格好良くて、「空港で働きたい、グランドハンドリングの仕事がしたい」と思うようになりました。そのときすでに鉄鋼関連の企業から内定をもらっていましたが、辞退して高校卒業後は航空専門学校へ進みました。 

入社後は、グランドサービス部で10年間、手荷物や貨物の塔降載やプッシュバック、トーイングを経験した後、いずれチャレンジしたいと考えていたオペレーションマネジメント部に異動しました。 

オペレーションマネジメント部の中には、航空機の到着から出発までの作業時間・進捗管理を行うハンドリングコントロールや、最適な駐機場を管理するスポットコントロールといった役割があり、現在私はロードコントロールという役割を担っています。 

ロードコントロールの業務は、航空機が飛行可能な限界重量を厳守しつつ、お客様と手荷物・貨物、燃料などの重量とバランス（重心の位置）を調整し、安全に運航できる最適な状態にして出発させることです。 

そこで私は、グランドサービス部で手荷物や貨物の搭降載を担うロードマスターやANA Cargoの各セクションと密に連絡をとりながら、どこにどんな手荷物・貨物を搭載するかというプランを作成し、指示を出しています。ただ貨物を搭載するといっても、考えることは重量だけではありません。たとえば、ドライアイスを積む場合は犬や猫などのペットの近くに搭載してはいけなかったり、磁力を持った貨物はコックピットの近くに置くと運航に影響をおよぼす可能性があるので、後方に積む必要があるなど配置を含め、さまざまな規定のもとで重さを調整していくのがすごく難しいと感じます。 

お客様の手荷物の量が確定するのは出発の40分前。その裏で、ロードマスターや搭載担当者が出発の１時間前から搭載作業を開始し、手荷物が想定より少なければ追加で貨物を搭載したり、逆に、手荷物が多ければ搭載予定だった貨物を下ろしたりと、ギリギリのせめぎ合いが続きます。ロードコントロールとは、まさに短時間で難解なパズルを解くようなもの。便が混み合うバンク時間帯だと４便分を同時並行で調整することもあり、頭から煙が出るかと思うほどの情報処理を求められます。 

成田から出発するANAの便だけでなく、海外から成田や羽田に向かう海外の航空会社の便のロード・コントロールを担当することもあり、その場合はスタッフとチャットでやり取りをしながら搭載プランを送付するなど、リモートで調整していきます。 

最初の2ヶ月ほどは、グランドサービス部のように体を動かして仕事をするのとはまったく異なり、毎日必死に業務を覚えることでいっぱいでしたが、配属されて半年くらいが経ち、何とか1日4便をコントロールすることが出来るようになりました。やりがいを感じるのは、自分の考えた搭載プランで実際に航空機が飛行する姿を眺めている瞬間です。頭の中でシミュレーションをしたり、パズルを解くのが大好きな方には向いている仕事だと思います。 

私の最終的な目標は、エアポートマネジメントオフィサー（AMO）になることで、そのためにいろいろな資格をとるべく、勉強しているところです。AMOは、空港オペレーションのリーダーです。その後ろにエアポートマネージメントディレクターという管理職専用の空港基地長代行職があります。その２名を中心にその日の便のオペレーションの最終判断・決定を下していく形になります。 

AMOになることで、空港ハンドリングや成田空港の全体像を把握して、その視点からお客様にとってさらに良いサービスを提供していきたいという志で、これからも日々の業務を着実にやり遂げていきたいですね。 

NRTASは有給休暇もしっかりとれますし、とくに福利厚生が充実していて有難いと感じています。また成田は、飲食店や大型施設も多く存在し、お財布に優しいお店がたくさん。家計も助かっています。自然が好きな同僚は、サーフィンやキャンプを楽しんでいます。仕事のやりがいだけでなく、充実した福利厚生でプライベートを豊かにさせたい方にも、NRTAS はおすすめです。