藤本映美
Joined NRTAS in 2023
私が整備士に興味を持ったのは中学生の頃でした。父は電気工事士ですが、父の周りにはいつも整備士がいてその姿が格好良く見えたんです。高校卒業後は整備士にはならず、奨学金を使って通える調理師学校に進学することにしました。その時は少し残念な気持ちもありましたが、料理にも興味があったので、これも良い経験になるだろうと前向きに捉えていました。
調理師としては料亭、学校の給食センターで計3年ほど働きました。料理の技術が上達する楽しさを味わいながらも、心の奥底では整備士になりたい思いがくすぶっていたんです。仕事を始めて半年ほど経った頃から、少しずつ整備士の求人を探し始めていました。しかし、未経験で無資格の私を受け入れてくれる会社はなかなか見つかりませんでした。
ある時、父から「NRTASの整備士は、未経験でも無資格でもなれる」と聞きました。空港の特殊車両がどんなものかまったくイメージがつかなかったのですが、とにかく「整備」の仕事に就きたいという一心でした。そして無事NRTASに入社。遠回りはしましたが、ようやく整備士としての第一歩を踏み出せたことに安堵しました。
入社してまず驚いたのは、使う工具の種類の多さです。趣味でバイクの整備はしたことがありましたが、空港で使う特殊車両に使う工具は、ほとんどが名前も用途も持ち方もわからず戸惑うばかりでしたね。
入社後1ヶ月半は、座学で車の基本的な動きや仕組みを学びました。エンジンの仕組みや電気系統の基礎知識など、専門的な内容を一から学ぶのは大変さもありましたが、好きなことなので苦しいと感じることはなかったですね。その後、実技研修が1ヶ月半あり、合計3ヶ月の研修期間を経て、実際の業務に携わるようになりました。
現在、私は主に車両の6ヶ月点検を担当しています。車種は、広大な成田空港内の移動に使う乗用車や航空機や貨物を牽引するトーイングトラクター車です。現在は入社して半年なのでつねに先輩と一緒に作業をしています。
所属している車両整備課では、私以外は全員男性で、年齢もバラバラですが、みなさん親切で、分からないことがあれば自分の作業をすぐ止めて丁寧に教えてくれます。入社前は不安な気持ちも少しはありましたが、性別に関係なく、能力と努力を認めてくれる環境だと感じますし、働きにくいと思ったこともありません。
最も苦労しているのは、重たいものを持つことです。部品自体がとても重いこともあるのですが、そんな時は、先輩たちに手伝ってもらいながら乗り越えています。とくに、エンジンオイルの交換時にオイルフィルターを緩めるのは、想像以上に力が必要で苦戦しています。特殊車両は、エンジンの大きさが一般車とはまるで違うことにも驚きましたね。
点検後には書類作成も行います。点検内容や請求に関する書類を作成しますが、これも重要な業務の一つ。正確な記録を残すことで車両の状態を把握し、適切なメンテナンスにつなげていきます。
調理師から整備士への転職は大きな変化でしたが、調理師の経験も今に生きています。女性中心の職場だった給食センターで働いていた時は、時にパートさん同士で言い合いになることも少なくありませんでした。それでも、釜調理場の責任者として一人ひとりのパートさんたちの意見に耳を傾ける大切さを学びました。一人での作業が多い整備の現場でもさまざまな意見を取り入れながら仕事を進める重要性は、変わりません。
また、包丁などの調理器具を扱う時と同様に、一つひとつの工具を丁寧に扱うことを意識しています。小さいことに思えるかもしれませんが、何気ない作業にも手を抜かない先輩たちに見習ってそうしています。
現在の目標は、3級自動車整備士の資格取得です。業務をこなしながら勉強するのは大変ですが、少しずつ前進していきたいと思います。先輩社員の話では1人で全ての業務をこなせるようになるまでには約6年かかるそうです。長い道のりですが、できるようになることが増えていく毎日が今の私の喜びです。
私の経験から言えることは、「やりたいと思ったらぜひ挑戦してほしい」ということです。未経験からのスタートでも、好きだという気持ちがあれば道は開けます。思うようにいかないこともあるかもしれませんが、好きなら苦労も達成感に変わります。これからも日々先輩から吸収し、楽しみながら成長しつづけたいです。
出社
9:10までに着替え、準備運動、朝礼、掃除を行います。
作業アサインの確認と車両の引き取り
その日に割り当てられた作業を確認し、点検する車両を引き取ります。
作業開始
作業内容確認した後は、ブリーフィング(簡単な説明)を受け、工具をチェックし、作業を開始。適宜、作業責任者に進捗状況を報告します。
休憩
作業再開
午前の作業の続きに取りかかります。
作業の進捗報告
1日の作業の進み具合を作業責任者に伝えます。
退勤
17:35から着替え、17:45に退社します。
ルール
30秒で質問に
なるべくたくさん答える
外周にある池
たまにカモが泳いでいたり、亀が甲羅干ししているところが見られます。
車両工場
空港内の様々な車両が整備されており、間接的にオペレーション に貢献していることがわかります。
スポット192
目の前でフライングホヌを見ることができます。至近距離なので機体のデザインなどよく見えます。
ANAの国際線事業をリードするNRTASは
さらなる高みへ。新たな時代を切り開きます。